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【2025NBAプレイオフ】若きサンダー、盤石の強さでグリズリーズを一蹴! 2連勝でシリーズの主導権握る

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【2025NBAプレイオフ】若きサンダー、盤石の強さでグリズリーズを一蹴! 2連勝でシリーズの主導権握る

熱気渦巻くペイコム・センター、正念場の第2戦

2025年4月22日、NBAプレイオフ・ファーストラウンドの熱戦はオクラホマシティへと舞台を移しました。ウェスタン・カンファレンス第1シードのオクラホマシティ・サンダーが、第8シードのメンフィス・グリズリーズをホーム、ペイコム・センターに迎える第2戦です。

サンダーは、衝撃的な51点差という圧倒的な内容で第1戦を制し、シリーズの先手を取りました。若き才能が集うサンダーにとって、このホームゲームで連勝し、シリーズの主導権を完全に握ることができるかどうかが注目されました。
一方、グリズリーズにとっては、敵地で一矢報い、0勝2敗という厳しい状況を避けるための正念場となる一戦です。この敗戦でホームコートアドバンテージを取り返すチャンスを失うわけではありませんが()、精神的なダメージは避けたいところでしょう。  


会場のペイコム・センターは、地元の期待を背負うサンダーへの熱狂的な声援に包まれていました。今季リーグ最高勝率を記録し、MVP最有力候補のシェイ・ギルジアス・アレクサンダー(SGA)を擁するサンダー。対するは、爆発的な身体能力と得点力を持つジャ・モラント率いるグリズリーズ。若きスター同士の対決は、多くの日本人NBAファンにとっても見逃せないポイントでした。グリズリーズがどのように立て直し、サンダーのホームコートに挑むのか、固唾を飲んで見守る試合となりました。  



試合序盤:サンダーが set the tone、鉄壁の守備でグリズリーズを圧倒

試合開始のティップオフから、サンダーはこの試合の tone(基調)を完全に set(設定)しました。第1戦の大勝の勢いをそのまま持ち込んだかのように、序盤からグリズリーズを圧倒します。特に際立ったのは、その鉄壁のディフェンスでした。サンダーは開始早々、グリズリーズのオフェンスを完全に封じ込め、相手はフィールドゴール試投20本中わずか3本の成功という、極度の不振に陥ります。これは単なる偶然ではなく、マーク・デイグノートHCがシーズンを通して築き上げてきた、サンダーのアイデンティティである組織的なディフェンスが機能した結果と言えるでしょう。  


チェット・ホルムグレンは開始直後からその長いウィングスパンを活かし、リムプロテクターとして、またローテーションディフェンスの要として存在感を発揮しました。サンダーディフェンスはグリズリーズにプレッシャーをかけ続け、ターンオーバーを誘発。グリズリーズはオフェンスのリズムを全く掴めず、苦しい立ち上がりを強いられました。  


オフェンス面でもサンダーは好調でした。第1戦でやや精彩を欠いたSGAも序盤から得点を重ね、ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズ(JDub)の「スター・トリオ」がバランス良く得点。特に前半の3ポイントシュートは確率が高く、ホルムグレンが3本、アレックス・カルーソ、SGA、ルーゲンツ・ドートがそれぞれ2本を決めるなど、効率的なオフェンスを展開しました。  


この序盤の圧倒的な展開は、単にサンダーの調子が良かったというだけでなく、彼らがシーズンを通して培ってきたプレースタイル――すなわち、強固なディフェンスからリズムを作り、効率的なオフェンスに繋げる――をプレイオフという大舞台でも完璧に遂行したことを示しています。この試合の主導権は、開始数分で完全にサンダーが握ったと言っても過言ではありませんでした。この早い段階での圧倒は、追いかけるグリズリーズにとって精神的にも大きなプレッシャーとなったはずです。

中盤の攻防:グリズリーズの抵抗とサンダーの揺るがぬリード

第1クォーターで大きなリードを築いたサンダーに対し、グリズリーズも黙ってはいませんでした。第2クォーター以降、特にディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(DPOY)候補でもあるジャレン・ジャクソンJr.(JJJ)が奮起します。JJJはこの試合、18本中10本のフィールドゴールを成功させ、チームトップタイの26得点を記録し、意地を見せました。ジャ・モラントも個人技で打開を図ろうと試みますが、サンダーの組織的なディフェンス網を完全に崩すには至りません。  


グリズリーズが点差を詰めようと試みる場面もありましたが、サンダーの牙城は揺るぎませんでした。この日のSGAは、フィールドゴール29本中10本成功(3ポイントは10本中3本成功)と、決して本調子とは言えないシュートタッチでした。しかし、ここが今季のサンダーの強さの真骨頂です。エースが苦しむ時間帯でも、他のプレイヤーが step up(ステップアップ)し、チームを支えました。  


特にジェイレン・ウィリアムズ(JDub)とチェット・ホルムグレンの活躍は目覚ましく、JDubは24得点、ホルムグレンは20得点を挙げ、SGAのスコアリングの負担を軽減しました。JDubは効率的なアタックで得点を重ね、ホルムグレンは攻守両面で存在感を発揮。インサイドでの得点に加え、リムプロテクターとしての役割も果たし、グリズリーズのインサイドへのアタックを阻みました。SGAが最高のパフォーマンスでなくとも試合をコントロールできる、この層の厚さとセカンダリースコアラーの台頭は、サンダーが単なるSGAのワンマンチームではないことを証明しています。  


サンダーは第3クォーター途中で一時的にグリズリーズに8点差まで詰め寄られる場面もありましたが、慌てることなくリードを維持。ディフェンス強度を落とさず、オフェンスでもJDubやホルムグレン、さらにはベンチメンバーが着実に得点を重ね、再びリードを広げました。グリズリーズの抵抗も及ばず、サンダーは常に試合の主導権を握り続けました。  


試合結果と主要スタッツ:サンダー、wire-to-wire で勝利、2勝0敗へ

試合は終始サンダーがリードを保ち、一度もグリズリーズに逆転を許すことなく終了のブザーを迎えました。最終スコアはオクラホマシティ・サンダー 118 - メンフィス・グリズリーズ 99。サンダーが見事な wire-to-wire(ワイヤー・トゥ・ワイヤー:最初から最後までリードを守り切る)での勝利を収めました。  


この結果、サンダーはホームで貴重な2連勝を飾り、シリーズ成績を2勝0敗としました。  


以下はこの試合の主要選手のスタッツです。

選手 (Player)

チーム (Team)

PTS

REB

AST

FG% (FGM/A)

3P% (3PM/A)

S. Gilgeous-Alexander

OKC

27

-

-

34.5% (10/29)

30.0% (3/10)

Chet Holmgren

OKC

20

11

-


(3 made)

Jalen Williams (JDub)

OKC

24

6

5

>50%

(Not Specified)

Luguentz Dort

OKC

-

-

-



Ja Morant

MEM

23

-

-

40.0% (10/25)

(Not Specified)

Jaren Jackson Jr. (JJJ)

MEM

26

-

-

55.6% (10/18)

(Not Specified)

Desmond Bane

MEM

19

-

-



Google スプレッドシートにエクスポート

注記: 表中の「-」は、参照した主要な情報源(など)で第2戦の具体的な数値が強調されていなかった、または他の情報源での詳細な確認が必要な項目を示します。Holmgren, JDub, Dort, BaneのFG%はでは明記されていません(JDubは50%超と記述)。一部選手のリバウンド、アシスト数も同様です。Holmgrenのリバウンド数はの情報を参考に記載しています。  


試合分析:サンダー勝因とグリズリーズ敗因

サンダーの勝因は、複数の要素が噛み合った結果と言えます。まず、シーズンを通してリーグトップクラスだったディフェンスがこの試合でも機能しました。特にホルムグレンのリムプロテクションとチーム全体でのローテーションは素晴らしく、グリズリーズに簡単なシュートチャンスを与えませんでした。14個のターンオーバーを誘発し、そこからの得点も効果的でした。ベンチから出場したアレックス・カルーソのディフェンスでの貢献も光りました。  


次に、リバウンドでの優位性です。サンダーはチーム全体で54リバウンドを獲得し、グリズリーズの43リバウンドを大きく上回りました。特にオフェンシブリバウンドで15対9と差をつけ、セカンドチャンスポイントに繋げたことが大きかったです。インサイドの柱であるホルムグレンや途中出場のアイザイア・ハーテンシュタインらが体を張りました。  


そして、バランスの取れた得点も勝因の一つです。SGAがFG% 34.5%と苦しんだにも関わらず、チームは118点を記録しました。これは、ホルムグレン(20得点)とJDub(24得点)がエースの不調をカバーする活躍を見せたことに加え、ベンチメンバー、特にカルーソやアイザイア・ジョーが第4クォーターの重要な場面で得点を重ね、リードを決定的なものにしたからです。特定のスター選手に依存しないオフェンスの多様性が、サンダーの強みであることを示しました。  


一方、グリズリーズの敗因は、サンダーの強みと表裏一体でした。まず、オフェンスの非効率性が挙げられます。ジャ・モラントは23得点を挙げたものの、フィールドゴールは25本中10本成功(40.0%)と struggle from the field(フィールドゴールに苦しむ)状態でした。デズモンド・ベインも19得点を記録しましたが、チーム全体としてサンダーの強固なディフェンスを最後まで攻略できませんでした。JJJ(26得点、FG 10/18)は孤軍奮闘しましたが、チームオフェンスとしては繋がりを欠きました。  


ターンオーバーの多さ(14個)も響きました。サンダーのプレッシャーディフェンスの前にミスを重ね、相手に得点機会を与えてしまいました。また、サンダーと比較してベンチの得点力不足も否めず、スター選手への負担が大きくなったことも敗因の一つと考えられます。根本的な問題として、グリズリーズのオフェンス戦略が、サンダーの持つ長さと運動能力、そして組織的なディフェンスに対して有効な対策を見いだせなかった点が挙げられます。  

選手パフォーマンス評価:輝きと課題

この試合における両チームの主要選手のパフォーマンスを振り返ってみましょう。

オクラホマシティ・サンダー:

  • シェイ・ギルジアス・アレクサンダー (SGA): 27得点を挙げましたが、FG 10/29 (34.5%), 3P 3/10 (30.0%) と効率には苦しみました。しかし、エースとして相手ディフェンスを引きつけ、チームを牽引する姿勢は見せました。プレイオフでの更なるアジャストが期待されます。  
  • チェット・ホルムグレン: 20得点、11リバウンド、そして特筆すべきは5ブロック(シリーズを通しての活躍を示唆するの情報を第2戦のインパクトとして解釈)と、攻守に渡って支配的なパフォーマンスを披露しました。ディフェンスの要であり、オフェンスでも効率的に得点を重ね、勝利に大きく貢献しました。  
  • ジェイレン・ウィリアムズ (JDub): 24得点(FG 50%超)、6リバウンド、5アシストと、オールラウンドな活躍でチームを支えました。SGAが苦しむ中で、重要なセカンドオプションとしての役割を完璧に果たし、スターへの階段を確実に上っている印象です。  
  • ルーゲンツ・ドート: 得点こそ多くありませんでしたが、持ち前の粘り強いディフェンスで相手のエース格を苦しめ、さらに2本の3ポイントシュートを成功させるなど、自身の役割を全うしました。  
  • ベンチ (カルーソ, ジョー, ウィギンズ): アレックス・カルーソはディフェンスでのハッスルプレーと要所での得点で流れを引き寄せ、アイザイア・ジョーはシャープシューターとして貢献。アーロン・ウィギンズらも含め、サンダーの層の厚さを示す重要な働きを見せました。  

メンフィス・グリズリーズ:

  • ジャ・モラント: 23得点を記録するも、FG 10/25 (40.0%) とサンダーディフェンスの前に効率を上げられませんでした。持ち前の爆発力を発揮しきれず、チームを勝利に導くには至りませんでした。  
  • ジャレン・ジャクソンJr. (JJJ): チーム最多タイの26得点、FG 10/18 (55.6%) と、オフェンス面ではこの日のグリズリーズで最も輝きを放ちました。インサイド、アウトサイドから得点を重ねましたが、チームの勝利には繋がりませんでした。  
  • デズモンド・ベイン: 19得点を挙げましたが、チーム全体のオフェンスが停滞する中で、彼もまた効率的な得点を見つけるのに苦労したと推察されます。ドートらサンダーのウィングディフェンダーとのマッチアップは厳しいものとなりました。  
  • サポートキャスト: JJJ、モラント、ベイン以外の選手からの安定した得点が見られず、サンダーと比較してベンチのインパクト不足が露呈しました。チーム全体の底上げが急務です。  

この試合は、サンダーのスター選手だけでなく、ロールプレイヤーやベンチメンバーがいかに重要な役割を果たしているか、そしてグリズリーズがいかにスター選手への依存度が高いかを浮き彫りにしました。この層の厚さの違いが、点差以上に試合内容の差として表れたと言えるでしょう。

シリーズ展望:サンダーが driver's seat へ、正念場のメンフィス

ホームで盤石の2連勝を飾ったサンダーは、シリーズの driver's seat(主導権を握る立場)に完全に立ちました。SGAが本調子でなくとも大差で勝利できたことは、チームにとって大きな自信となるでしょう。メンフィスでの第3戦に向けて、精神的にも優位な状況で敵地に乗り込むことになります。  


一方、グリズリーズは0勝2敗と崖っぷちに立たされました。ホームに戻る第3戦は、文字通り背水の陣となります。特にオフェンス面での大幅な修正が不可欠です。モラントとベインがサンダーディフェンスに対してより効率的に得点する方法を見つけ出し、JJJ以外のプレイヤーも step up(ステップアップ)して貢献する必要があります。歴史的に見ても、0勝2敗からのシリーズ逆転は極めて困難であり、第3戦に敗れれば、シリーズの行方はほぼ決定的となります。  


今後のシリーズの鍵を握るのは、グリズリーズがホームコートでオフェンスを立て直せるか、そしてサンダーが敵地でも第1戦、第2戦で見せたような圧倒的なディフェンス強度を維持できるか、という点になるでしょう。また、SGAが本来の得点効率を取り戻せるかどうかも注目点です。サンダーとしては、2連勝に慢心することなく、アウェーでの戦いに集中することが求められます。グリズリーズはホームのファンの声援を力に変え、意地を見せたいところです。

NBAから学ぶ英文法コーナー

NBAの試合中継や記事を見ていると、独特の英語表現に出会うことがあります。ここでは、今回の試合内容に関連する英語フレーズをいくつかピックアップし、簡単な文法解説と共に紹介します。英語学習中のNBAファンの方々の参考になれば幸いです。

  • Phrase 1: "set the tone"
    • (1) English Phrase: set the tone
    • (2) 文法ポイント解説: 「set the tone」は「基調を作る」「雰囲気を作る」という意味を持つイディオム(慣用句)です。「set」が動詞で「設定する」、「the tone」が目的語で「基調、雰囲気」を意味します。文脈としては、試合の開始直後などに、あるチームがその後の試合の流れを決定づけるような積極的なプレーや守備を見せた際に使われます。
    • (3) 例文: "The Thunder's defense set the tone early in the game, making it difficult for the Grizzlies to score."
      • 日本語訳: サンダーのディフェンスが試合序盤で基調を作り、グリズリーズの得点を困難にしました。
  • Phrase 2: "wire-to-wire"
    • (1) English Phrase: wire-to-wire
    • (2) 文法ポイント解説: 「wire-to-wire」は形容詞または副詞として機能し、「最初から最後まで(リードを保って)」という意味を表します。元々は競馬用語で、スタートゲートのワイヤーからゴールラインのワイヤーまで一度も先頭を譲らなかった馬を表す言葉でした。バスケットボールでは、試合開始から終了まで一度も相手にリードを許さなかった完勝を表現する際に用いられます。
    • (3) 例文: "Oklahoma City won the game wire-to-wire, never trailing the Grizzlies after their strong start."
      • 日本語訳: オクラホマシティは最初から最後までリードを保って試合に勝利し、好スタートの後、一度もグリズリーズにリードを許しませんでした。
  • Phrase 3: "struggle from the field"
    • (1) English Phrase: struggle from the field
    • (2) 文法ポイント解説: このフレーズは「フィールドゴール(シュート全般)に苦しむ」という意味で使われます。「struggle」は動詞で「苦労する、奮闘する」という意味です。「from the field」は「フィールド(コート)からの」という意味で、ここではフィールドゴール試投全体を指します。選手やチームのシュート成功率が低い、またはシュートを決めるのに苦労している状況を描写する際に使われます。
    • (3) 例文: "Ja Morant struggled from the field in Game 2, shooting only 10-for-25 against the Thunder's defense."
      • 日本語訳: ジャ・モラントは第2戦でフィールドゴールに苦しみ、サンダーのディフェンスに対して25本中10本の成功にとどまりました。
  • Phrase 4: "balanced scoring"
    • (1) English Phrase: balanced scoring
    • (2) 文法ポイント解説: これは「バランスの取れた得点」という意味の名詞句です。「balanced」は形容詞で「バランスの取れた、均衡の取れた」という意味、「scoring」は動名詞または名詞として「得点すること、得点」を意味します。特定の1人か2人のスター選手に得点が集中するのではなく、チーム内の複数の選手が得点に貢献している状況を表す際に使われます。チームオフェンスの健全さを示す指標とも言えます。
    • (3) 例文: "Despite SGA's off night, the Thunder showed balanced scoring, with Holmgren and Williams also scoring over 20 points."
      • 日本語訳: SGAの不調にもかかわらず、サンダーはホルムグレンとウィリアムズも20点以上を記録し、バランスの取れた得点を見せました。
  • Phrase 5: "in the driver's seat"
    • (1) English Phrase: in the driver's seat
    • (2) 文法ポイント解説: このイディオムは「主導権を握っている」「有利な立場にいる」「状況をコントロールできる立場にある」といった意味で使われます。文字通り「運転席に座っている」状態から転じて、物事の進行方向を決定できる、有利なポジションにいることを比喩的に表現します。プレイオフシリーズでリードしているチームなどに使われます。
    • (3) 例文: "Leading the series 2-0, the Thunder are firmly in the driver's seat heading into Game 3 in Memphis."
      • 日本語訳: シリーズを2勝0敗でリードし、サンダーはメンフィスでの第3戦に向けて完全に主導権を握っています

これからもNBA観戦を楽しみながら、英語の表現にも注目してみてください。より深くゲームを理解する一助となるかもしれません。

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