
【2025NBAプレイオフ】アクシデント発生!?セミファイナル、ウォリアーズ対ウルブズ
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ウェスタン・カンファレンス・セミファイナル、デンバー・ナゲッツ対オクラホマシティ・サンダーのシリーズは、劇的な幕開けとなりました。第1戦は、アーロン・ゴードン選手が試合終了間際に決勝の3ポイントシュートを沈め、ナゲッツが敵地で121-119という僅差の勝利を掴み取りました。ニコラ・ヨキッチ選手はこの試合、42得点、22リバウンドという驚異的なスタッツを記録し、チームを牽引しました。一方のサンダーも、シェイ・ギルジアス・アレクサンダー(SGA)選手が33得点と奮闘しましたが、終盤にチェット・ホルムグレン選手が痛恨のフリースローミスを犯し、勝利を逃す結果となりました。
この熱戦からわずか中1日、2025年5月7日、舞台は同じくオクラホマシティのペイコム・センターに移され、シリーズ第2戦の火蓋が切られました。ホームで連敗は避けたいサンダーと、敵地で連勝しシリーズの主導権を握りたいナゲッツ。両チームの思惑が交錯する中、この試合はプレイオフ史に残る記録的な展開を迎えることになります。
注目されたのは、両チームのコンディションの違いでした。「休息か、それとも錆びつきか (Rest vs. Rust)」というテーマが、この第2戦の大きな焦点となりました。サンダーはファーストラウンドでメンフィス・グリズリーズをスウィープし、1週間以上の十分な休息期間がありました。対照的に、ナゲッツはロサンゼルス・クリッパーズとの激闘を7戦の末に制したばかり(5月3日に第7戦に勝利)で、第1戦(5月5日)を経て、この第2戦に臨むという過密日程でした。第1戦ではナゲッツが疲労を感じさせない勝負強さを見せましたが、果たして第2戦ではこの休養期間の差がどのように影響するのでしょうか。ホームで雪辱を期すサンダーが、そのフレッシュさを武器に襲いかかるのか、注目が集まりました。
試合開始直後から、サンダーはホームのファンの声援を受け、別次元のエネルギーレベルを見せつけました。まさに「灼熱」という言葉がふさわしいスタートダッシュで、最初の10本のシュートのうち7本を成功させ、早々に18-9とリードを奪います。第1クォーターのフィールドゴール成功率は驚異の71.4%に達し、ナゲッツのディフェンスを完全に圧倒しました。
特に際立ったのは、チーム全体での攻撃意識の高さです。SGA選手がこのクォーターだけで13得点を挙げる活躍を見せましたが、彼だけでなく、チーム全体が連動し、流れるようなオフェンスを展開しました。ホームコートの雰囲気がチームを後押ししているのは明らかでした。
また、このクォーターでは心理的な駆け引きも見られました。第1戦では声援を送られたナゲッツのラッセル・ウェストブルック選手に対し、第2戦ではサンダーファンからブーイングが浴びせられました。彼がコートに入って間もなくテクニカルファウルを取られる場面もあり、ホームのサンダーが試合の主導権だけでなく、精神的な揺さぶりもかけているように見えました。
終わってみれば、第1クォーターは45-21という衝撃的なスコア。サンダーは、チームのプレイオフ史上最多となるクォーター得点を記録し、試合の主導権を完全に握りました。
第1クォーターの勢いは止まりませんでした。サンダーは第2クォーターも攻撃の手を緩めず、ナゲッツを寄せ付けません。SGA選手がJalen Williams選手へ絶妙なアリウープパスを通すなど、多彩な攻撃で得点を重ねていきました。
そして、前半終了間際に歴史的瞬間が訪れます。チェット・ホルムグレン選手が獲得したフリースローを2本とも成功させ、サンダーの前半の得点は「87」に到達しました。これは、2017年のNBAファイナル第4戦でクリーブランド・キャバリアーズが記録した86点を上回り、NBAプレイオフ史上最多の前半得点記録となりました。さらに、これはプレイオフにおけるハーフでの最多得点記録タイ(1978年にミルウォーキー・バックスが後半に記録)でもあります。
この記録的なスコアは、サンダーの圧倒的なオフェンス力を物語っています。前半だけでフィールドゴール成功率58.8%、フリースロー成功率94.4%(18本中17本成功)という驚異的な数字を記録しました。特筆すべきは、SGA選手(前半18得点)だけでなく、先発全員が前半だけで二桁得点を達成したことです。これは、第1戦でSGA選手への依存が指摘された中での、チームとしての攻撃力の証明と言えるでしょう。第1戦の敗戦を経て、チーム全体でオフェンスを遂行するという明確な意志が見て取れました。
クォーター毎スコア
チーム | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 最終スコア |
---|---|---|---|---|---|
デンバー・ナゲッツ | 21 | 35 | 20 | 30 | 106 |
オクラホマシティ・サンダー | 45 | 42 | 37 | 25 | 149 |
この表が示す通り、前半のサンダーの猛攻がいかに凄まじかったかが一目瞭然です。
後半に入っても、試合の流れは変わりませんでした。サンダーは第3クォーターも攻撃の手を緩めず、リードを広げ続けます。クォーター終了時には124-76と、その差は48点にまで開きました。最大で49点差をつけるなど、サンダーの一方的な展開となりました。
ナゲッツは反撃の糸口を掴むことができませんでした。第1戦で42得点22リバウンドと大暴れしたヨキッチ選手は、この試合では精彩を欠き、第3クォーター終盤にファウルアウト。最終的に17得点、8リバウンドというスタッツに終わりました。これは、連戦による疲労の影響なのか、それともサンダーのディフェンスが効果的に機能した結果なのか、両方の側面が考えられます。特に、第1戦の激闘と移動による疲労は、世界最高の選手であるヨキッチ選手にとっても無視できない要素だったのかもしれません。ナゲッツ全体のフィールドゴール成功率も37.9%と低迷し、ターンオーバーも20回を記録するなど、攻守両面で精彩を欠きました。試合後、ナゲッツのデイビッド・アデルマン暫定ヘッドコーチが「我々は打ちのめされた (We got punked)」と語ったように、まさに完敗でした。
最終スコアは149-106でオクラホマシティ・サンダーが圧勝。この結果、シリーズ成績は1勝1敗のタイとなり、舞台をデンバーに移して第3戦を迎えることになりました。
しかし、この43点差という大勝と記録的な得点は、プレイオフにおいては異例のことです。第1戦がわずか2点差の接戦だったことを考えると、この第2戦の結果が必ずしもシリーズ全体の力関係をそのまま反映しているとは言えません。ナゲッツ側の極度の疲労という特殊な要因が大きく影響した可能性が高く、第3戦以降は再び接戦となることも十分に考えられます。
この歴史的な一戦で、特に輝きを放った選手と、苦戦を強いられた選手を見ていきましょう。
オクラホマシティ・サンダー:
デンバー・ナゲッツ:
主要選手スタッツ
選手名 (チーム) | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
シェイ・ギルジアス・アレクサンダー (OKC) | 34 | 4 | 8 |
チェット・ホルムグレン (OKC) | 15 | 11 | 2 |
ニコラ・ヨキッチ (DEN) | 17 | 8 | 6 |
ジャマール・マレー (DEN) | 14 | 4 | 1 |
ラッセル・ウェストブルック (DEN) | 19 | 1 | 5 |
このスタッツからも、SGA選手の効率的な活躍と、ヨキッチ選手の苦戦が明確に見て取れます。
衝撃的な第2戦を経て、シリーズは1勝1敗のタイとなり、舞台をナゲッツのホーム、デンバーへと移します。
ナゲッツにとっては、この数日間の休養が重要になります。第1戦、第2戦と続いた疲労から回復し、ホームコートアドバンテージを活かして本来の力を発揮できるかが鍵となります。特に、ヨキッチ選手が第2戦の不振からどのように立ち直るのか、そしてマレー選手をはじめとするサポートキャストが安定したパフォーマンスを見せられるかが注目されます。
一方のサンダーは、敵地デンバーという厳しい環境で、第2戦で見せた圧倒的なオフェンス力を維持できるかが試されます。若いチームがプレイオフのロードゲーム、特に標高の高いデンバーでどのような戦いを見せるのか。SGA選手に対するナゲッツのディフェンス戦略の変更にも注目が集まります。
第3戦は、シリーズの流れを大きく左右する重要な一戦となるでしょう。ナゲッツがホームで意地を見せるのか、それともサンダーがアウェイでも勢いを維持するのか。目が離せない戦いが続きます。
NBAの熱い戦いを通して、英語の文法も楽しく学んでいきましょう!今回は、試合の描写や分析でよく使われる文法ポイントをいくつかご紹介します。
1. 現在分詞 (Present Participles: -ing forms)
2. 過去分詞 (Past Participles: -ed/-en forms)
3. 関係代名詞 (Relative Clauses: who, which, that)
4. 助動詞 (Modals: can, could, will, would, may, might, must)
オクラホマシティ・サンダーが歴史的な猛攻を見せ、デンバー・ナゲッツに圧勝した第2戦。前半だけでNBAプレイオフ記録となる87得点を叩き出し、最終スコア149-106でシリーズを1勝1敗のタイに戻しました。
第1戦の劇的な敗戦から見事に立ち直り、ホームで圧倒的な強さを見せたサンダー。特にSGA選手の効率的なスコアリングと、チーム全体でのバランスの取れた攻撃は、今後のシリーズに向けて大きな自信となったでしょう。
一方、ナゲッツにとっては厳しい敗戦となりました。連戦の疲労は明らかで、絶対的エースのヨキッチ選手も精彩を欠きました。しかし、舞台はこれから彼らのホーム、デンバーに移ります。十分な休養を取り、ホームの利を活かして立て直すことができるか。第3戦は、このシリーズの行方を占う上で極めて重要な一戦となります。
記録的な大勝と大敗。両極端な結果となった最初の2試合を経て、シリーズは振り出しに戻りました。デンバーでの第3戦で、両チームがどのようなアジャストメントを見せ、どのような戦いを繰り広げるのか、ますます目が離せません。
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