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【2025NBAプレイオフ】0.0秒の奇跡か、悪夢か? ジョーカー覚醒、ナゲッツが劇的ブザービーターでクリッパーズを破りシリーズタイ!運命の第4戦

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【2025NBAプレイオフ】0.0秒の奇跡か、悪夢か? ジョーカー覚醒、ナゲッツが劇的ブザービーターでクリッパーズを破りシリーズタイ!運命の第4戦

はじめに

2025年4月26日(日本時間27日)、NBAプレイオフ・ウェスタンカンファレンスファーストラウンドは、ロサンゼルス・クリッパーズの本拠地インテュイット・ドームで第4戦が行われました。シリーズ成績2勝1敗でリードし、ホームで王手をかけたい第5シードのクリッパーズと、敵地でシリーズをタイに戻し、流れを引き寄せたい第4シードのデンバー・ナゲッツ。

これまでの3試合が示すように、両チームの実力は拮抗しており、第1戦はオーバータイム、第2戦もわずか3点差という激闘が繰り広げられてきました。この第4戦も、その期待を裏切らない、いや、それを遥かに超える劇的な展開が待ち受けていました。ホームの大声援を受けるクリッパーズが3勝目を挙げて王手をかけるのか、それともナゲッツが意地を見せてシリーズを振り出しに戻すのか。試合は最終盤、まさに0.0秒までもつれ込む、信じられない結末を迎えることになります。  


試合の流れ:一進一退の攻防からナゲッツの猛追、そしてクリッパーズの逆襲

試合は序盤からナゲッツが主導権を握ります。第1クォーター、ニコラ・ヨキッチ選手を中心に得点を重ねたナゲッツが27-22とリードして終えます。  

第2クォーターに入ると、クリッパーズも反撃を開始します。カワイ・レナード選手、ジェームズ・ハーデン選手、イビツァ・ズバッツ選手らが奮闘し、一進一退の攻防が続きます。クリッパーズはこのクォーターを26-23とわずかに上回り、前半を終えてナゲッツが50-48と僅差でリードする展開となりました。どちらのチームも大きなリードを奪えず、後半に向けて予断を許さない状況が続きます。  

しかし、第3クォーターに試合は大きく動きます。ここでナゲッツが爆発力を見せつけました。「ジョーカー」ことニコラ・ヨキッチ選手がオフェンス、リバウンド、アシストで異次元の支配力を発揮。ナゲッツはこのクォーターだけで35得点を挙げる猛攻を見せ、クリッパーズの得点をわずか17点に抑え込みます。この圧倒的なクォーターにより、ナゲッツは85-65と20点もの大量リードを奪い、第4クォーターを迎えました。多くのファンが、この時点でナゲッツの勝利を確信したかもしれません。  

ところが、ホームで負けられないクリッパーズがここから驚異的な粘りを見せます。第4クォーター、クリッパーズは猛烈な反撃を開始。ハーデン選手が司令塔となり、途中出場のノーマン・パウエル選手が次々と得点を重ね、レナード選手も勝負強さを発揮します。ディフェンスでもプレッシャーを強め、ナゲッツのオフェンスを停滞させると、クリッパーズはこのクォーターで34得点を奪い、ナゲッツの得点を16点に抑えるという劇的な展開を見せます。20点あった差はみるみる縮まり、試合は最終盤、再びどちらが勝つかわからない緊迫した状況へと突入しました。  

勝敗を分けた最終盤:0.0秒の結末とレビュー

試合時間残りわずか、クリッパーズの猛追によりスコアは99-99の同点となります。会場のボルテージは最高潮に達し、息をのむような攻防が繰り広げられます。  

残り数秒、ボールはナゲッツのエース、ニコラ・ヨキッチ選手に託されます。クリッパーズの厳しいディフェンスを受けながらも、ヨキッチ選手はターンアラウンドからのフェイダウェイショットを放ちますが、これはリングに嫌われます。万事休すかと思われたその瞬間、ゴール下に飛び込んできたアーロン・ゴードン選手がボールに触れ、ティップイン!ボールがリングを通過すると同時に、試合終了のブザーが鳴り響きました。  

しかし、ゴードン選手のティップインがブザーの前だったのか、後だったのか。あまりにも際どいタイミングだったため、レフェリーは即座にビデオレビューに入ります。インテュイット・ドームの観客、コート上の選手、そして世界中のファンが固唾を飲んで判定を待ちます。スロー再生映像が何度も映し出され、ボールがゴードン選手の指先を離れた瞬間と、バックボードのランプが点灯する瞬間が比較されます。非常に微妙なタイミングでしたが、レビューの結果、ゴードン選手のティップインはブザーが鳴る前にリングに入ったと判定され、得点が認められました。  

これにより、最終スコアはデンバー・ナゲッツ 101 - 99 ロサンゼルス・クリッパーズとなり、ナゲッツが劇的なブザービーターで勝利を収めました。  


この劇的な結末のハイライトはこちらでご覧いただけます



主要選手の活躍とスタッツ

この歴史的な一戦を彩った主要選手たちのパフォーマンスを見てみましょう。

デンバー・ナゲッツ:

  • ニコラ・ヨキッチ: まさに「ジョーカー」の名にふさわしい支配的なパフォーマンスでした。43分28秒の出場で、ゲームハイの36得点、驚異の21リバウンド、8アシストを記録。第3クォーターの猛攻を牽引し、最後のショットは外れたものの、チームを勝利寸前まで導きました。リバウンドでの貢献は特に際立っており、ゴール下を完全に制圧しました。  
  • アーロン・ゴードン: 14得点、6リバウンド、5アシストと安定した活躍を見せ、そして何よりも0.0秒での劇的な決勝ティップインを決めました。彼の勝負強さがチームを救いました。  
  • マイケル・ポーターJr.: 17得点、3ポイントシュート4本成功と、アウトサイドからの得点で貢献しました。  
  • ジャマール・マレー: 13得点、7リバウンド、7アシストを記録。得点こそ伸び悩んだものの、プレイメイクでチームを支えました。  

ロサンゼルス・クリッパーズ:

  • カワイ・レナード: エースとしてチームを牽引。39分56秒の出場でチームハイの24得点、9リバウンド、2アシストを記録しました。第4クォーターの反撃でも中心的な役割を果たし、フランチャイズのプレイオフ通算得点記録でポール・ジョージ選手を抜き歴代3位となるマイルストーンも達成しました。  
  • ジェームズ・ハーデン: 15得点に加え、ゲームハイの11アシストを記録し、司令塔としてクリッパーズの猛追を演出しました。第4クォーターには同点に追いつく重要なショットも決めた可能性があります。  
  • イビツァ・ズバッツ: 19得点、12リバウンドのダブルダブルに加え、6アシストとインサイドで大きな存在感を示しました。  
  • ノーマン・パウエル: ベンチから出場し、チーム2位の22得点(3ポイントシュート4本成功)を挙げ、第4クォーターのクリッパーズの反撃の起爆剤となりました。  

レナード選手、ハーデン選手、ズバッツ選手、そしてパウエル選手の活躍により、あと一歩のところまでナゲッツを追い詰めました。しかし、最後はヨキッチ選手の圧倒的な存在感と、ゴードン選手の土壇場での一撃に屈する形となりました。ナゲッツもヨキッチ選手の超人的な活躍がありながら、勝利にはゴードン選手の最後のプレーが必要だったことは、このシリーズがいかに僅差であるかを物語っています。

主要選手スタッツ一覧:

選手名

チーム

時間 (MIN)

得点 (PTS)

リバウンド (REB)

アシスト (AST)

FG (成功-試投)

3P (成功-試投)

FT (成功-試投)

Nikola Jokić

DEN

43:28

36

21

8

14-26

3-6

5-8

Jamal Murray

DEN

42:27

13

7

7

5-15

1-5

2-2

Michael Porter Jr.

DEN

42:08

17

4

2

6-13

4-7

1-2

Aaron Gordon

DEN

42:55

14

6

5

5-10

1-3

3-4

Kawhi Leonard

LAC

39:56

24

9

2

10-22

2-6

2-2

James Harden

LAC

42:52

15

4

11

5-11

1-4

4-5

Ivica Zubac

LAC

41:07

19

12

6

9-14

0-0

1-2

Norman Powell

LAC

35:33

22

4

1

7-14

4-8

4-6

NBAから学ぶ英文法 (Learn English Grammar from NBA)

今回の劇的な試合から、覚えておくと便利な英語フレーズと、簡単な文法ポイントをいくつかご紹介します。

1. Buzzer-beater

* English: Buzzer-beater

* Japanese Meaning: ブザービーター (試合終了のブザーと同時に、または直前に決まるショット)

* Context: このフレーズは、アーロン・ゴードン選手が決めた、試合終了と同時に得点となった決勝ショットを指します。

* Example Sentence (EN): Aaron Gordon won the game for the Nuggets with a controversial buzzer-beater tip-in.

* Example Sentence (JP): アーロン・ゴードンは物議を醸したブザービーターのティップインでナゲッツに勝利をもたらしました。

* Grammar Point: "buzzer"(ブザー)、"beat"(打つ)、"-er"(~するもの)が組み合わさった複合名詞 (compound noun) です。このように複数の単語が組み合わさって一つの名詞として機能します。ここでは特定の決勝点を指す前に、不定冠詞の "a" がついて "a buzzer-beater" となっています。

2. Tie the series

* English: Tie the series

* Japanese Meaning: シリーズ成績をタイにする、同点にする

* Context: ナゲッツがこの試合に勝利した結果、シリーズ成績が2勝2敗のタイになったことを表すフレーズです。

* Example Sentence (EN): With this dramatic victory on the road, the Nuggets tie the series at two games apiece.

* Example Sentence (JP): この劇的な敵地での勝利により、ナゲッツはシリーズ成績を2勝2敗のタイに戻しました。

* Grammar Point: "tie" はここでは「~をタイにする」という意味の動詞 (verb) で、"the series" がその目的語です。"at two games apiece" は「それぞれ2試合(2勝)で」という意味の前置詞句 (prepositional phrase) です。試合結果のような事実を述べる際には、例文のように単純現在形 (simple present tense) がよく使われます。

3. Clutch performance

* English: Clutch performance

* Japanese Meaning: クラッチパフォーマンス、勝負どころでの重要な活躍

* Context: 試合終盤のプレッシャーがかかる場面で決定的なプレーをすることです。ヨキッチ選手が決勝ティップインの前に決めたショットや、ハーデン選手が同点にしたショットなどがこれにあたります。

* Example Sentence (EN): Nikola Jokic delivered a clutch performance, scoring the go-ahead basket before Gordon's tip-in.

* Example Sentence (JP): ニコラ・ヨキッチはクラッチパフォーマンスを見せ、ゴードンのティップインの前に決勝点となるバスケットを決めました。

* Grammar Point: "clutch" は「勝負強い」という意味の形容詞 (adjective) で、名詞 "performance" を修飾しています。"delivered" は「(パフォーマンスなどを)見せた、果たした」という意味で、試合中の完了した動作を表すため過去形 (past tense) になっています。"scoring the go-ahead basket" は「決勝点を決めること」という動名詞句 (gerund phrase) で、どのようなパフォーマンスだったかを具体的に説明しています。

4. Turning point

* English: Turning point

* Japanese Meaning: ターニングポイント、転換点

* Context: 試合の流れやシリーズの行方を変える重要な局面や出来事を指します。ナゲッツが圧倒した第3クォーター、クリッパーズが猛追した第4クォーター、そして最後のブザービーターそのものが、この試合やシリーズ全体のターニングポイントと言えるでしょう。

* Example Sentence (EN): The controversial final play proved to be the turning point, shifting momentum back to Denver.

* Example Sentence (JP): 物議を醸した最後のプレーは、流れをデンバーに引き戻すターニングポイントとなりました。

* Grammar Point: "turning point" は「転換点」という意味の名詞句 (noun phrase) です。"proved to be" は「~であることが判明した」という意味の表現です。ここでは特定の最後のプレーを指しているため、定冠詞 (definite article) の "the" が "turning point" の前についています。

まとめと次戦への展望

信じられないような幕切れとなった第4戦は、デンバー・ナゲッツがアーロン・ゴードン選手の劇的なブザービーターによるティップインで101-99とロサンゼルス・クリッパーズを下し、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻しました。第3クォーターに最大20点のリードを奪いながらも、第4クォーターにクリッパーズの猛反撃を受けて同点に追いつかれるという苦しい展開でしたが、土壇場で王者の底力を見せつけました。  

最後のプレーはビデオレビューにもつれ込む際どいもので、クリッパーズにとっては悪夢のような、ナゲッツにとっては奇跡のような結末となりました。この勝利でナゲッツは敵地で貴重な1勝をもぎ取り、ホームコートアドバンテージを奪い返しました。シリーズの流れは再びナゲッツに傾いたと言えるかもしれません。  

これでシリーズは2勝2敗のタイとなり、勝負の行方は全く分からなくなりました。舞台をデンバーに移して行われる第5戦は、シリーズの天王山となります。驚異的な粘りを見せたクリッパーズが、この敗戦から立ち直れるか。そして、劇的勝利で勢いに乗るナゲッツがホームでそのアドバンテージを活かせるか。ニコラ・ヨキッチ選手とカワイ・レナード選手という両エースの対決はもちろん、ジェームズ・ハーデン選手、ジャマール・マレー選手、そしてこの日ヒーローとなったアーロン・ゴードン選手やクリッパーズのノーマン・パウエル選手といったキープレイヤーたちの活躍からも目が離せません。

第1戦から第4戦まで、すべてが接戦となっているこのシリーズ。第5戦もまた、手に汗握る激闘となることは間違いないでしょう。次の試合は日本時間4月30日(現地29日)に行われます。


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