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【2025NBAプレイオフ】王手か、意地か?ウォリアーズ対ロケッツ、息詰まる接戦の第4戦を徹底レポート!

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【2025NBAプレイオフ】王手か、意地か?ウォリアーズ対ロケッツ、息詰まる接戦の第4戦を徹底レポート!

はじめに

2025年のNBAプレイオフ・ファーストラウンド、ゴールデンステート・ウォリアーズ対ヒューストン・ロケッツのシリーズは、第4戦を迎え、まさに佳境に入りました。ウォリアーズがホームコート、チェイス・センターで2勝1敗とリードし、シリーズ突破に王手をかけるべく臨んだこの一戦。対するは、レギュラーシーズンでウェスタン・カンファレンス第2シードを獲得した若きロケッツ。敵地で意地を見せ、シリーズを2勝2敗のタイに戻せるか、大きな注目が集まりました。  

この両チームのプレイオフでの対決は、今回で実に5度目。過去4度の対戦ではいずれもウォリアーズが勝利しており、ロケッツにとっては雪辱を果たしたいという強い思いがあったことでしょう。さらにウォリアーズにとっては、骨盤の打撲で第3戦を欠場していた大黒柱の一人、ジミー・バトラーがこの重要な一戦で復帰。彼の存在が攻守にどのような影響を与えるのか、ファンならずとも期待が高まっていました。  


序盤:シリーズの流れを決める一戦、序盤から激しい火花

試合は、序盤から両チームの意地がぶつかり合う激しい展開となりました。過去の対戦を彷彿とさせるフィジカルなぶつかり合いが随所に見られ、コート上のボルテージは開始早々から最高潮に達します。特に第2クォーターは荒れ模様となり、両チームの間で複数の小競り合いが発生。ドレイモンド・グリーン、ディロン・ブルックス、ステフィン・カリー、タリ・イーソンといった選手たちが絡み、テクニカルファウルやグリーンへのフレグラントファウル1がコールされるなど、一触即発の場面が続きました。  


審判の判定にも疑問の声が上がる場面があり、特にグリーンはフレグラントファウルとテクニカルファウルを受けながらも、退場は免れるという際どい状況。こうした激しいぶつかり合いと判定を巡る混乱は、試合の流れに微妙な影響を与えましたが、両チームの集中力と闘志が試される展開となりました。  

ウォリアーズはグリーンの連続3ポイントシュートなどで幸先の良いスタートを切ったものの、ロケッツもすぐさま反撃。ウォリアーズのファウルトラブルやターンオーバーを突き、アルペレン・シェングンやフレッド・バンブリートを中心に得点を重ね、前半を57-50とリードして折り返しました。バトラー復帰のウォリアーズに対し、ロケッツがアウェイでリードを奪うという、予想外ながらもプレイオフらしい緊迫した展開で前半を終えました。  


中盤:ウォリアーズの猛追、試合は一進一退の攻防へ

後半に入ると、試合の様相は一変します。ウォリアーズがチャンピオンチームとしての経験と底力を見せつけ、第3クォーター開始から猛烈なランを見せます。一時は18-1という驚異的なスコアリングランを展開し、前半のビハインドを一気にひっくり返し、リードを奪い返しました。  

このウォリアーズの反撃を支えたのは、堅守からの速い展開と、改善されたボールムーブメントでした。前半はやや停滞気味だったオフェンスが息を吹き返し、チーム全体で27アシストを記録(ロケッツは18アシスト)。カリー以外の選手たちも効果的に得点に絡み始めます。特に目立ったのが、ブランディン・ポジェムスキーです。バトラーの復帰により出場機会を得た彼は、物怖じしないプレーで得点を重ね、ウォリアーズのオフェンスに勢いをもたらしました。彼の自信に満ちたプレーぶりは、カリーやバトラーといったスター選手が厳しいマークに合う中で、チームの層の厚さを示すものでした。  

しかし、ロケッツも簡単には引き下がりません。シェングンやバンブリートを中心に粘り強く食らいつき、ウォリアーズのリードを許しながらも、試合を決定づけるほどの差はつけさせません。第3クォーター終了時点でスコアは82-80と、ウォリアーズがわずか2点のリード。勝負の行方は最終クォーターへと持ち越され、チェイス・センターの観客は固唾を飲んで試合の行方を見守りました。  


終盤:手に汗握るクラッチタイム、勝負を決めたヒーローたち

最終第4クォーターは、まさに手に汗握るシーソーゲームとなりました。両チーム一歩も譲らず、リードチェンジを繰り返す、プレイオフにふさわしい激闘が繰り広げられます。

ウォリアーズは、途中加入のバディ・ヒールドが値千金の3ポイントシュートを沈め、リードを奪います。しかし、ロケッツもフレッド・バンブリートが驚異的な勝負強さを見せ、クラッチタイムに立て続けに3ポイントシュートを成功させ、残り1分20秒で同点に追いつきます。さらに、アルペレン・シェングンがインサイドで着実に得点を重ね、ロケッツに流れを引き寄せようとします。  

勝敗の行方が全く見えない緊迫した状況の中、試合を決定づけたのは、この日復帰したジミー・バトラーと、ウォリアーズのディフェンスでした。

残り1分を切った同点の場面、バトラーが3ポイントシュートのファウルを受け、フリースローを獲得。プレッシャーのかかる場面で、彼は冷静に3本すべてを沈め、ウォリアーズが107-104とリードします。  

追いかけるロケッツは、エースのシェングンにボールを託しますが、ここで立ちはだかったのがドレイモンド・グリーン。ファウルトラブルに苦しみながらもコートに立ち続けたグリーンが、シェングンの勝負どころのショットを見事に阻止。こぼれ球をバトラーががっちりと掴み取り、勝利を大きく手繰り寄せます。  

ファウルゲームとなり、バトラーがさらに2本のフリースローを確実に決めて3点差。ロケッツは最後の望みを託し、バンブリートが同点を狙った3ポイントシュートを放ちますが、これはリングに嫌われ、試合終了のブザーが鳴り響きました。  

最終スコアはゴールデンステート・ウォリアーズ 109 - 106 ヒューストン・ロケッツ。ウォリアーズがホームで激闘を制し、シリーズ成績を3勝1敗としました。

スコア推移:

Team

Q1

Q2

Q3

Q4

Final

Rockets

26

31

23

26

106

Warriors

28

22

32

27

109

勝敗を分けたポイントと選手たちの評価

この激戦を制したウォリアーズと、惜しくも敗れたロケッツ。勝敗を分けた要因と、キープレイヤーたちのパフォーマンスを振り返ってみましょう。

ウォリアーズ勝利の要因:

  • ジミー・バトラー、"プレイオフ・ジミー"健在: 負傷からの復帰戦にも関わらず、40分近い出場時間でチームハイの27得点、5リバウンド、6アシストを記録。特に終盤のクラッチタイムでの5本のフリースロー成功と、最後の決定的なリバウンドは、まさに"プレイオフ・ジミー"の真骨頂でした。彼の勝負強さとリーダーシップが、チームを勝利に導きました。  
  • 伏兵ポジェムスキーの大活躍: 堂々たるプレーを見せ、自己最高の26得点をマーク。カリーが徹底マークされる中、貴重なセカンドオプションとして躍動し、ウォリアーズの層の厚さを見せつけました。  
  • 勝負どころでの集中力: バディ・ヒールドの逆転3ポイントシュート (15得点)や、ドレイモンド・グリーンのファウルトラブルを抱えながらの最終盤での値千金のディフェンスなど、重要な局面で経験豊富な選手たちがしっかりと仕事をしたことが勝利に繋がりました。  
  • カリー不調でも勝てる強さ: ステフィン・カリーはこの日17得点と、彼本来の爆発力は見られませんでした。しかし、それでもチームが勝利できたことは、他の選手たちの奮闘とチームとしての成熟度を示しています。  

ロケッツ敗戦の要因:

  • シェングン&バンブリート奮闘も…: アルペレン・シェングンは31得点10リバウンド、フレッド・バンブリートは8本の3ポイントシュートを含む25得点と、二人のエース格は素晴らしい活躍を見せました。特にシェングンは、グリーンがベンチにいる時間帯にインサイドを支配しました。  
  • 痛恨のフリースローミス: この試合、ロケッツはフリースローを31本中19本成功(成功率約61%)にとどまり、12本も失敗しました。最終的に3点差で敗れたことを考えると、このフリースローの不振はあまりにも大きな痛手でした。シリーズを通しての課題とも言えるでしょう。  
  • クラッチタイムでの詰めの甘さ: 最後のオフェンスで、ウォリアーズのディフェンスの要であるグリーンに対してシェングンが仕掛けたプレー選択や、バンブリートの最後の3ポイントシュート失敗など、勝負どころでのあと一歩が及びませんでした。ベテラン中心のウォリアーズが見せた勝負強さとの差が出た形です。  
  • ジェイレン・グリーンの沈黙: 第2戦で38得点と爆発したジェイレン・グリーンでしたが、この日は8得点、5ターンオーバーと精彩を欠きました。彼の得点力に波がある点は、チームにとって不安定要素となっています。  
  • ベンチ陣の健闘: アメン・トンプソン (17得点9リバウンド)や、スティーブン・アダムス (出場時チーム最高の+16)など、ベンチメンバーは奮闘しましたが、チームを勝利に導くには至りませんでした。  

主要選手スタッツ:

Player (Team)

PTS

REB

AST

Jimmy Butler (GSW)

27

5

6

Brandin Podziemski (GSW)

26

5

5

Stephen Curry (GSW)

17

3

3

Buddy Hield (GSW)

15

4

3

Alperen Sengun (HOU)

31

10

5

Fred VanVleet (HOU)

25

2

6

Amen Thompson (HOU)

17

9

2

Jalen Green (HOU)

8

3

1


試合ハイライト & リアクション:

  • フルゲームハイライト:
  • クラッチタイム:

NBAから学ぶ英文法コーナー

NBAの熱い戦いの中から、英語表現を学んでいきましょう!今回は、この試合展開にぴったりのフレーズを3つご紹介します。

1. "Take a commanding lead"

  • 意味: 試合やシリーズで大きく、決定的なリードを奪うこと。優位な状況を築く様子を表します。
  • 文法解説: "take" (取る、奪う) という動詞と、"a commanding lead" (決定的なリード) という名詞句で構成されています。"commanding" は「威圧的な、堂々とした、決定的な」という意味の形容詞で、"lead" (リード) という名詞を修飾し、そのリードの性質を強調しています。"a" は不定冠詞で、特定のリードではなく、一つの決定的なリードを指します。
  • 例文: "With this win, the Warriors take a commanding 3-1 lead in the series."
  • 日本語訳: 「この勝利で、ウォリアーズはシリーズで決定的な3勝1敗のリードを奪いました。」

2. "Clutch performance"

  • 意味: プレッシャーのかかる土壇場や、試合の勝敗を左右する重要な局面で見せる素晴らしい活躍、勝負強いパフォーマンスのこと。
  • 文法解説: "clutch" は元々名詞ですが、ここでは「勝負強い、重要な場面での」という意味の形容詞として使われ、"performance" (パフォーマンス、活躍) という名詞を修飾しています。このように名詞が形容詞的に使われることも英語ではよくあります。"a clutch performance" で「一つの勝負強いパフォーマンス」という意味になります。
  • 例文: "Jimmy Butler delivered a clutch performance in the fourth quarter, hitting key free throws."
  • 日本語訳: 「ジミー・バトラーは第4クォーターに、重要なフリースローを決めるなど、勝負強いパフォーマンスを見せました。」

3. "Defend home court"

  • 意味: ホームアリーナで行われる試合で勝利し、ホームコートアドバンテージ(地元で戦える有利さ)を守り抜くこと。
  • 文法解説: "defend" (守る) という動詞と、"home court" (ホームコート) という目的語(名詞句)から成る表現です。「何を」守るのかを明確に示す「動詞 + 目的語」の基本的な形です。"home court" は特定の場所を指すため、通常は冠詞をつけずに使われます。
  • 例文: "The Warriors managed to defend home court in a tough Game 4 battle."
  • 日本語訳: 「ウォリアーズは厳しい第4戦で、なんとかホームコートを守り切りました。」

シリーズの行方:崖っぷちのロケッツ、ウォリアーズは敵地で決着をつけるか

この第4戦の結果、ゴールデンステート・ウォリアーズがシリーズ成績を3勝1敗とし、カンファレンス・セミファイナル進出に王手をかけました。舞台は再びロケッツのホーム、ヒューストンのトヨタ・センターへ移り、現地水曜日(日本時間木曜日)に第5戦が行われます。  

ロケッツにとっては、まさに崖っぷちの状況です。NBAプレイオフの歴史において、1勝3敗から逆転するのは非常に困難なことであり、0勝3敗からの逆転は未だかつてありません。ホームに戻る第5戦は絶対に負けられない戦いとなります。イーメイ・ウドカHCは試合後、「とにかく勝ちに行くことだ」とチームに檄を飛ばし、第5戦に向けてスターティングラインナップの変更も示唆しています。ホームの大声援を背に、若いチームが意地を見せられるか、注目が集まります。  

一方のウォリアーズは、敵地でシリーズを決める絶好の機会を得ました。第4戦で見せた勝負強さとチームの総合力を第5戦でも発揮し、早々にシリーズを終わらせたいところでしょう。バトラーの状態や、カリーの復調なども気になるところですが、経験豊富な彼らが油断することはないはずです。  

激しいフィジカルコンタクト、スター選手たちの競演、そして土壇場でのドラマ。ウォリアーズ対ロケッツのシリーズは、プレイオフならではの醍醐味が凝縮されています。第5戦でウォリアーズが貫禄を見せて勝ち切るのか、それともロケッツがホームで反撃の狼煙を上げるのか。目が離せない戦いは続きます。


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